AIで動画を高画質化 - ノイズ除去・フレーム補間・音声ノイズ除去も
「昔スマホで撮った子どもの動画が、今のテレビで見ると粗くて残念」「手元にある圧縮された動画を大画面でも見やすくしたい」「録画したゲーム実況をもっとシャープにしたい」――そんな動画をAIで手軽に高画質化できるのが、Digiarty SoftwareによるAI動画高画質化ソフト「Aiarty Video Enhancer」です。
低解像度の映像を最大4Kへアップスケーリングし、ノイズ除去やブレ補正、フレーム補間、さらには音声のノイズ除去や色補正まで、動画まわりの仕上げをまとめてこなせるのが特徴。今回は主な機能や操作の流れ、対応環境、料金プランまでをひと通り見ていきます。

メイン画面。中央のプレビューで映像を確認しながら、右側のパネルでAIモデルや拡大率、補正の強度などを調整できる構成です。主要な設定が1カ所にまとまっているため、初めてでも操作に迷うことはありませんでした。
※この記事のスクリーンショット内の動画素材には、Internet Archiveで公開されているPrelinger Archivesのパブリックドメイン映像を使用しています。
Aiarty Video Enhancerとは
Aiarty Video Enhancerは、MacとWindowsの両方で使えるデスクトップ向けの動画高画質化・修復ソフトです。AIモデルを搭載し、アニメや古い映像の画質向上、低解像度動画の4K化、ノイズ除去などを、専門知識がなくても簡単に実行できます。
「ローカル処理」を特徴として掲げていて、公式FAQによるとAiarty Video Enhancerでは動画をユーザーのPC上で処理し、外部サーバーへアップロードすることはないとされています。また、プライバシーポリシーでも、画像・動画のアップスケーリングや高画質化などの処理はローカルで行われ、ユーザーの画像・動画を収集、アップロード、送信、保存、アクセスしないと説明されています。
高画質化に加えて、音声や色補正までカバー
Aiarty Video Enhancerの主な機能は、次の6つに整理できます。
- ノイズ除去:映像ノイズや粒状感を抑え、ざらついた映像を見やすく整えます。
- ピンボケ補正:AIアルゴリズムがブレやぼやけを改善し、輪郭をくっきりとさせます。
- ディテール再現:輪郭や細部を補い、ぼんやりした映像をより見やすく整えます。
- スローモーション:フレーム補間に特化したAIで、最大16倍までのスーパースロー動画を作成できます。
- 音声ノイズ除去:動画・音声ファイルから背景ノイズを除去し、人の声を聞き取りやすくします。
- 色補正:ホワイトバランス、露出、コントラスト、彩度などをスライダーで調整できます。
用途で選べる3つのAIモデル
高画質化の心臓部となるのが、用途に応じて使い分けられる3種類のAIモデル。素材の性質に合わせて選ぶことで過剰な加工を避けつつ、動画に合った仕上がりを狙えます。
- moDetail-HQ v3(アーキテクチャ: Diffusion+GAN)
画質を維持しながら、ピクセルや微細な特徴をAIが推測・補完するディテール強化モデル。低解像度の人物・動物・植物の映像、スポーツ動画、旅行動画などに向いています - Smooth-HQ v3(アーキテクチャ: Diffusion)
ボケた輪郭をはっきりと整え、鮮明かつ滑らかに仕上げる汎用モデル。ビデオテープ時代の番組、昔の家庭用ビデオ、旧作アニメ、圧縮された動画に適しています。 - superVideo vHQ(アーキテクチャ: Diffusion+GAN)
ぼやけを軽減し、高ISO撮影時の輝度ノイズやカラーノイズを除去する低照度向けモデル。暗所で撮った動画や夜間映像に向いています。
3つのAIモデルは、それぞれ得意な素材が分かれているため、最初はどれを選べばよいか迷うかもしれません。ただ、各モデルの用途が説明付きで表示されるので、古いホームビデオならSmooth-HQ v3、暗所で撮った動画ならsuperVideo vHQというように、素材に合わせて選びやすいと思います。


用途に応じて選べる3つのAIモデル。モデルを選ぶとその下に用途の説明が表示されます。
最大4Kへのアップスケーリング
Aiarty Video Enhancerは、低解像度の映像を最大4Kへアップスケーリングできます。細部を補正しながら高解像度化できるため、スマホ動画や手元の圧縮動画を大画面でも見やすくしたいケースに向いています。

スプリットビューによる境界線の左と右で、補正前と補正後をチェックできます。建物や旗、塔の輪郭、細部の見え方の違いを確認できます。

ビューモードを横並びにすると、同じフレームの補正前/補正後を左右で比較できてわかりやすいです。
最大120FPSのフレーム補間
低フレームレートの動画を最大120FPSへ変換し、カクつきを抑えた滑らかな再生を目指せます。公式資料では、AIアルゴリズムとトレーニングを搭載したモーション補正により、生成されたフレームは自然で一貫性があり、ジェロ効果、スミア、フレームの歪みを回避するとされています。映画やアニメ、スポーツ映像、ゲーム録画などで活用しやすい機能です。さらに最大16倍のスーパースローモーション作成にも対応します。

フレーム補間の例。カクついた動きが滑らかになり、残像感を抑えられます。
音声ノイズ除去
AIによる雑音抑圧技術で、動画・音声から背景ノイズを自動で除去します。ポッドキャストやインタビュー、VLOG、Web会議などで、人の声をはっきり聞き取りやすくする用途に向いています。映像だけでなく音まで整えられるのは、配信者やクリエイターにとって心強い機能です。

音声ノイズ除去の設定画面。機能のON/OFFや各種パラメータを調整し、背景ノイズを抑える処理を行えます。

3種類のノイズ除去モデルが用意されています。VoiceFilter v3.1を選ぶことで、背景ノイズを抑え、人の声を聞き取りやすくします。
AIによる色補正
ホワイトバランス、露出、コントラスト、彩度などを調整し、色味のばらついた素材や、暗く沈んだ印象の動画を手早く整えられます。色味のばらついた素材や、暗く沈んだ印象の動画を手早く整えたいときにも活用できます。

色補正パネル。ホワイトバランスや露出、コントラスト、彩度などをまとめて調整できます。

色補正を調整するとプレビュー画面で明るさや色味の変化をリアルタイムに仕上がりを確認できます。
処理速度を支える「Turbo」モード
AI高画質化は負荷の大きい処理ですが、独自開発の「Turbo」モードは、NVIDIA RTX 30/40/50シリーズなどのGPU環境での高速処理をうたっています。
使い方は3ステップ
操作はシンプルで、基本は次の3ステップで完結します。
STEP1

高画質化したい動画ファイルをドラッグ&ドロップして読み込みます。あるいは「+」をクリックして動画ファイルを指定してもOKです。
STEP2

素材に合わせてAIモデルと拡大率を選び、補正の強度を調整します。
STEP3

プレビューで補正前後を確認したら、右側の「書き出し設定」で出力形式やコーデック、保存先を指定し、「選択項目を書き出す」または「一括書き出し」から書き出します。
対応環境(システム要件)
macOS
Mac(Intel):OS macOS 13.0以降/CPU 任意のIntelプロセッサ/RAM 8GB/ストレージ 512GB/GPU VRAM 4GB以上の専用グラフィックカード
Mac(Appleシリコン):macOS 13.0以降/Appleシリコン搭載Mac(M1以降)/RAM 8GB以上(16GB以上推奨)/ストレージ 512GB以上
Windows
OS: Microsoft Windows 10 (x64) 1809以降/CPU: 64ビット対応のIntelまたはAMDプロセッサ/RAM: 8GB以上(16GB以上を推奨)/GPU: DirectMLアクセラレーション対応(AMD Radeon HD 7000以降、Intel Haswell世代以降、NVIDIA GeForce GTX 600以降)。TensorRTによる高速化にはGeForce RTX 2050以上、VRAM 4GB以上(推奨8GB以上)が必要
対応する入力形式は.mp4や.mov、.mkv、.aviをはじめ20種類以上と幅広く、表示言語は日本語にも対応しています。
料金プランと無料版
Aiarty Video Enhancerには、サインアップ不要・クレジットカード不要で試せる無料版が用意されています。AIによる高画質化や基本編集、音声ノイズ除去、フレーム補間などを体験でき、処理後の動画を書き出すことも可能です。
ただし無料版には、1回の加工時間が120秒(2分)まで、書き出した動画にウォーターマーク(透かし)が入る、一括書き出し非対応といった制限があります。それでも、手元の動画でどの程度見やすくなるのかを確認するには十分だと感じました。AI補正は素材との相性もあるため、購入前に実際の動画で試せるのは安心材料になります。
有料版(2026初夏セール適用時の税込価格)は次のとおり。
- 年間プラン:8,480円(通常8,980円)/1ユーザー、12カ月利用。365日経過後に自動更新
- 永久ライセンス:16,980円/3ユーザー、無期限利用。アップデートは無料
- 3-in-1ソフトセット:26,980円。本製品に加え、画像高画質化「Aiarty Image Enhancer」、背景透過「Aiarty Image Matting」がセットに
有料版にすると、ウォーターマークが消え、処理時間や書き出し回数の制限もなくなります。AIモデルとソフト本体の更新、24/7の技術サポートも付帯し、製品全体には30日間の返金保証も用意されています。
これらの価格は、本稿執筆時点で実施中の期間限定セール「2026初夏セール」によるものです。上記の3-in-1セットのほか、用途に応じたセット割引も用意されています。セール期間・対象製品・価格は変動するため、最新の情報は公式のキャンペーンページでご確認ください。
公式サイト: https://jp.aiarty.com/aiarty-video-enhancer/
「2026初夏セール」特設サイト:https://jp.aiarty.com/store.htm
【変更点】
【追加】HDR強度のデフォルト値を0.75に設定し、主画面でそのデフォルト値がわかるよう視覚的なインジケーターを追加しました。
【改善】よりスムーズな再生を実現できるよう、可変フレームレート動画向けのフレーム補間アルゴリズムを最適化しました。
【修正】BT.470 System B/Gの動画で色ずれが生じる問題を修正しました。
【修正】特殊なアスペクト比の動画において、補正結果が異常の不具合を修正しました。
【修正】予期せずアプリケーションが終了する問題をいくつか修正しました。
